大都会に静かに佇む汐見橋駅

突然ですが、ひとつクイズです。「南海高野線の北の終点駅(始発駅)はどこでしょうか?」

そんなの簡単だよという人が大多数だと思います。南海なんば駅ですよね。

・・・と、ここで話が終わるはずがありません。

今は支線となってしまいましたが・・・答は「汐見橋駅」なのです。

◎汐見橋駅の歴史

今では、なんば駅から、南海本線、南海高野線の電車が発着していますが、南海高野線の終点駅(始発駅)は、なんば駅ではなく汐見橋駅なのです。

もともと、高野鉄道が開業したとき、ターミナルとして作られたのは、難波の西のほうに位置する汐見橋駅でした。本来はここから多くの電車が発着するはずだったのです。それが、高野鉄道が南海鉄道と合併することで、ターミナル機能がなんば駅に集中してしまったのです。ミナミの中心地なんば駅に直通するほうが、汐見橋駅に行くよりも、利便性が向上するのは明らかだったので、当然の結末だったのかもしれませんが。

この結果、汐見橋駅はターミナルとしての立場を失い、南海高野線の終点駅(始発駅)は、なんば駅のようになっていきました。汐見橋駅はどんどんすたれてしまい、ミナミの繁華街から少しだけ西に外れているだけなのに閑散とした状況になっています。今でも路線自体は継続して運転されているものの、日中は30分に1本だけ発着する2両編成の電車が行ったり来たりしているのみです。

ちなみに、支線となってしまった汐見橋線は、汐見橋駅ー芦原町駅ー木津川駅ー津守駅ー西天下茶屋駅ー岸里玉出駅の6つの駅で構成されています。まさに、大都会のローカル線状態です。2015年度の1日平均乗降客数は576人だそうです。大阪環状線の内側にある立地にもかかわらず、これは寂しい・・・。

◎汐見橋駅の風景

汐見橋駅は100年以上の歴史を有するため、レトロ感満載の駅舎になっています。かつてのターミナル駅だった面影はなく、昔懐かしき雰囲気だけが残っている状態です。まさに大阪ミナミの秘境駅です。

駅舎はホームの北側にあります。自動改札機はありますが、自動精算機はないので、精算が必要なときは駅員さんに申し出る必要があります。駅舎内には、昭和30年当時の「南海沿線観光案内図」が最近まで現存してありました。壁の上の方にあったため、劣化による剥落を防ぐため、2016年3月に、この案内図は撤去されました。私も何回か汐見橋駅を利用したことがありますが、この案内図を見ると、昭和な気持ちになり、すごく落ち着いた記憶があります。

阪神なんば線の桜川駅との乗り換えが可能であり、大阪随一の繁華街ミナミがあるなんば駅までは1キロ程度の汐見橋駅。インバウンド効果による外国人観光客の増加に備え、関西空港や大阪空港とのアクセスの利便性が叫ばれる中、汐見橋駅の立地メリットは何らかの活用方法があるはずです。今後の活性化に期待したいと思っています。