大阪には、ビルの中を貫通している高速道路があった!

大都会のビルの中を走る高速道路・・・大阪住民の中では、有名な話かもしれませんが、世界的に見るとかなりの希少スポットらしいので、ここで紹介したいと思います。

◎ビルを貫通する高速道路の場所

高速道路がビルを貫通しているのは、大阪市福島区にある「TKPゲートタワービル」です。ここを貫通しているのは、渋滞で有名な阪神高速道路11号池田線になります。車で、池田から梅田方面へ走行すると、環状線へ行く道と梅田出口へ行く道とに分岐する地点があり、このうち、梅田出口へ向かう道へ進むと、すぐに、高速道路がビルの中を貫通する場面に出くわします。円形のビルの中に高架がかかっており、車が吸い込まれて行くように見え、なかなかの迫力です。大阪で車を運転しない人でも、大阪空港から梅田行きのバスに乗ると、このスポットを通過することができます。

◎希少スポットができた歴史

TKPゲートタワービルと阪神高速道路は、何らかの事業提携をしているわけではありません。

では、なぜこのような奇妙な現象が起きているのでしょうか?

その昔、この土地の所有者はビルを建設しようと計画を立てていました。しかし、ほぼ同時期に同じ場所に高速道路を作る計画も浮上したのです。このような場合、普通ならば、話し合いをして、何らかの落としどころをみつけて合意していくはずです。しかし、このケースでは、両者とも一歩も譲りませんでした。

交渉は長期化し、「ビルは立てる。高速道路も作る。」という、前代未聞の決着に至ったのです。このため、苦肉の策として、ビルの中に高速道路を通すという形態になったのでした。

なお、高速道路とビルは、直接つながっていないため、ビルの入り口から高速道路へ入ることも、その逆も不可能な構造になっています。ちなみに、契約上は、阪神高速がビルのテナントとして入居している形になっています。ビルは16階建てで、このうち5階から7階が「阪神高速道路」になっています。このため、内部のエレベータ表示は、「1階、2階、3階、4階・・・8階」となっています。

テナントのひとつである阪神高速が撤退しても、ビル側が取り壊しを行なったとしても、互いに大きな影響はないとのこと。もちろん、高速道路はシェルターで覆われていて、ビル側の防音装置もバッチリのようです。大阪人ながら、うまく、できているものだなぁと感心しました。

◎希少スポットが周囲に与える影響

私は、大阪府内で、何十年も車の運転をしているため、この「ビルを貫通する高速道路」というスポットについても、当たり前の風景でしかありませんでしたが、府外や海外の人の反応は大きいようです。隠れた「大阪の名所」になっているようです。

大阪では、他にも、本町の船場センタービルや、朝日新聞社など、ビルと道路が一体化したようなスポットはあります。もちろん、それぞれに事情はあるのでしょうが、大阪固有の「面白さ」「目立ちたがり屋」「大胆な発想」文化が根付いているのかもしれません。